◆大学・研究機関等公表資料より

〇血中性ホルモン濃度と大腸がん罹患との関連について
 (国立がん研究センター社会と健康研究センター、6月18日)

 テストステロン濃度が高い場合、大腸がんリスクが上昇することが分かりました。動物実験の結果から、テストステロン投与により大腸腺腫の発生を促進する可能性や、アンドロゲン受容体の遺伝子配列が大腸がん患者と健常者で異なることなどが報告されていることから、テストステロンが大腸がんの発生に関係していることが示されています。
 また、イソフラボン摂取が低いグループでSHBG濃度と大腸がんリスクに有意な正の関連が認められ、イソフラボンの摂取量により、SHBG濃度と大腸がんリスクの関連は異なることが示唆されました。SHBG濃度が高いグループでは、SHBGに結合していないエストラジオールの濃度が低いと考えることができます。先行研究より、イソフラボンを多く摂取することで、エストラジオール濃度が上昇することが示唆されているため、イソフラボン摂取量が高いことにより、SHBG濃度が高い場合でも、大腸がんリスクが減少した可能性が考えられます。

 →国立がん研究センター社会と健康研究センター>多目的コホート研究>血中性ホルモン濃度と大腸がん罹患との関連について(2019/6/18)
  https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8252.html

〇食事由来の抗酸化能と糖尿病との関連
 (国立がん研究センター社会と健康研究センター)

 食事由来の抗酸化能と糖尿病発症との関連は見られませんでした。食事由来の抗酸化能と糖尿病発症に関する欧米の報告では、フランス人女性において、食事由来の抗酸化能が高いほど糖尿病発症のリスクが減少することが報告されています。本研究と結果が異なる理由ははっきりしませんが、追跡期間の違いや食事由来の抗酸化能に寄与している食品が異なるためかもしれません。

 →国立がん研究センター社会と健康研究センター>多目的コホート研究>食事由来の抗酸化能と糖尿病との関連について(2019/6/21)
   https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8253.html

〇東海大学駅伝チーム対象の臨床試験で天然アスタキサンチンの疲労軽減効果を確認 
  (東海大学)

 ・アスタキサンチンを摂取したグループでは、摂取8週後において、問診項目「疲労の回復速度」「筋肉痛」「身体の重さ」が有意に改善あるいは改善の傾向を示した。
 ・筋肉損傷と関係がある血清中のクレアチンキナーゼ(CK)は、摂取8週間後において、プラセボ摂取グループと比較してアスタキサンチン摂取グループが有意に低かった。

 → 東海大学>ニュース>2019年度>東海大学駅伝チーム対象の臨床試験で天然アスタキサンチンの疲労軽減効果を確認(2019年6月17日)
   https://www.tokai.ac.jp/news/detail/post_236.html

 

◆「LINK de DIET」より

〇小児、若年成人の重度の健康問題に関連するサプリメント
  
 減量、筋肉増強、エナジー系のサプリメントは小児、若年成人における有害事象が多いようだ、という米国ハーバード大学からの研究報告。

 研究チームは、米国FDAの有害事象報告システムから2004年1月-2015年4月のサプリメントによる有害事象を検索した。対象者が0-25歳の症例を選び、重症例(死亡、障害、入院)とそれ以外に分類してその相対リスクを計算した。
 977件の有害事象がみつかった。約40%が重症例であった。減量、筋肉増強、エナジーに関連するサプリメントによる重症例は、ビタミンなどに比べてほぼ3倍多かったという。
 性機能強化、腸洗浄に関するサプリメントもビタミンに比べて重症例が2倍多かった。
 「まともな医師はこの研究の対象になったような種類のサプリメントの使用を推奨していない。これらの製品の多くは、処方薬、禁止物質、重金属、農薬、その他の危険な化学物質が混ぜられていることが多く、脳卒中、精巣がん、肝障害、死亡の原因となっている」と研究者はコメントしている。

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>小児、若年成人の重度の健康問題に関連するサプリメント (2019.6.21)  
    http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=67197&-lay=lay&-Find.html

 

〇甘草茶は患者に高血圧緊急事態を引き起こす
  
 甘草(リコリス)は欧米でも伝統的なハーブの一つとして摂取されるが、高血圧緊急症による入院の症例がみられた、というカナダ・マギル大学からの報告。

 「ハーブには過剰な摂取により有害な副作用を起こすものがある。甘草の根の抽出物は血圧を上昇させ、水分の貯留とカリウムの低下を惹起する可能性がある」と研究者は説明する。
 今回の症例は、84歳の男性が、高血圧緊急症によって救急外来に搬送されたものである。甘草根で煎れたホームメイドティーによって惹起された。血圧が急激に上昇し、頭痛、光過敏症、胸痛、疲労、ふくらはぎにおける水分の貯留を示した。
 患者は高血圧の病歴があり、「Erk Sous」と呼ばれる当該の甘草茶を2週間前から日に1-2杯飲んでいた。
 甘草茶は中東と一部の欧州で一般的であり、Erk Sousはラマダン中のエジプトで特に一般的であるという。

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>甘草茶は患者に高血圧緊急事態を引き起こす (2019.6.17)
   http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=67147&-lay=lay&-Find.html

 

〇卵のコレステロールは、心疾患、死亡リスクに関連
 
 心臓病と死亡のリスクは食べる卵の数に従って上昇するようだ、という米国マサチューセッツ大学からの研究報告。

 研究チームは、全米の3万人近い成人の食生活、健康状態、生活習慣を平均17.5年にわたって追跡調査した結果、卵に含まれるコレステロールを大量に摂取することは、悪い健康影響と関連していることを発見したという。
 米国人の卵の摂取量は上昇しており、農務省によれば、2012年には一人当たり年間254個だったものが、2017年には279個になっていた。
 米国の現在の食生活指針では、卵の摂取量についての注意はないという。ガイドラインは5年ごとにアップデートされるが、近年専門家は、食事中のコレステロールよりも飽和脂肪酸が血中コレステロールを上昇させる要因とみるようになった。そのために指針に含まれなかったのではないかという。2015年以前には、ガイドラインでは1日300mg以上のコレステロールの摂取を制限していた。
 大きな卵1個には200mgのコレステロールが含まれている。
 今回の研究は、具体的な卵およびコレステロールの摂取量を設定するものではないが、コレステロールの摂取が1日300mg増えるごとに、心血管疾患の発症リスクが17%、死亡リスクが18%上昇することと関連することを発見したという。
 「週に数個の卵を食べるのは理にかなっているだろう」と主任研究者のキャサリン・タッカー教授は語っている。それは目や骨の健康に良いのだという。「けれども、私は人々に1日に卵3個のオムレツを食べることは避けるようにお勧めする。栄養は全て中庸とバランスの問題なのだ。」

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>卵のコレステロールは、心疾患、死亡リスクに関連 (2019.6.17)
   http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=67148&-lay=lay&-Find.html