◆大学・研究機関等公表資料より

○複数の血中炎症関連マーカーと胃・食道がん罹患との関連 (国立がん研究センター社会と健康研究センター)

 62の炎症関連マーカーの血中濃度のうち、sEGFRの低値、TSLPの高値と胃がん罹患リスク、CRP、CXCL11/ITAC、CCL15/MIP1Dそれぞれの高値と食道がん罹患リスクとの間に関連が見られました(傾向性P値 < 0.05)。すでにがんが発生していることで炎症関連マーカーが変化している影響を除くため、研究開始から5年以降にがんと診断された症例に絞った解析でも、上記の結果は変わりませんでした。しかしながら、複数のマーカーを一度に調べているため統計学的に有意な関連が出やすいことを考慮した解析(false discovery rateで調整した解析)では、いずれのマーカーも統計学的に有意な関連はありませんでした。

 → 国立がん研究センター社会と健康研究センター>予防研究グループ>複数の血中炎症関連マーカーと胃・食道がん罹患との関連について
  https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8249.html

 

○日本人のための食事因子による循環器疾患リスク 評価チャートの作成 (滋賀医科大学)

 食事因子の組み合わせによる循環器疾患死亡リスクを検討したところ、野菜、果物、魚摂取量が最も少なく、食塩摂取量が多い場合、参照カテゴリ(野菜、果物、魚摂取量が最も多く、食塩摂取量が少ない場合)と比較して、循環器疾患死亡リスクは約 3 倍高くなった。

 → 滋賀医科大学>プレスリリース>日本人のための食事因子による循環器疾患リスク 評価チャートの作成【記者説明会】(2019.04.26)
  https://www.shiga-med.ac.jp/sites/default/files/2019-04/バインダ1.pdf

 

○味噌汁、ヨーグルト、納豆の摂取頻度が多いことは早期早産のなりにくさと関連がある (エコチル調査より) (富山大学)

 妊娠前に味噌汁、ヨーグルト、納豆をとるように心がけている女性は早期早産のリスクが低いということです。とくに味噌汁は、週に1日以上のペースで食べる方でリスクが低くなる傾向が見られました(ただし、たくさん食べるほど効果が上がるわけではありませんでした)。妊娠後については、たくさん食べても効果はなく、切迫早産の治療にはなりません。

 → 富山大学>プレスリリース>味噌汁、ヨーグルト、納豆の摂取頻度が多いことは早期早産のなりにくさと関連がある(エコチル調査より) [PDF, 351KB]
  https://www.u-toyama.ac.jp/outline/publicity/pdf/2019/20190509b.pdf

 

○筋肉量と腎障害の関連性を統計学的に解明 (久留米大学)

 久留米大学病院でがんの診断を受けた約500人の患者について、身長、体重、服用薬剤などの患者背景を調整した上で、シスプラチンと腎障害の関連性を統計学的に調べました。特にTPF療法とよばれる化学療法に限った時、薬剤MgOの服用がなく、薬剤NSAIDsの服用がある筋肉量が少ない患者は、通常安全とされるシスプラチン基準量の約1/3の量で腎障害を発生する。

 → 久留米大学>2019年度 > 筋肉量と腎障害の関連性を統計学的に解明-PLOS ONEに掲載(2019.4.26)
  https://www.kurume-u.ac.jp/site/backno/20190426.html

 

◆LINK de DIETより

○水を飲まない子供は加糖飲料の摂取が多い
  
 1日中水を飲まない若者は、飲む若者に比べて、加糖飲料を平均2倍摂取しているようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。

 研究チームは、米国民健康栄養調査から2-19歳の8,400名のデータを解析した結果、対象者の20%が水を飲んでいないことを発見した。さらに、その彼らは、水を飲む子供たちに比べて、加糖飲料から2倍、約200kcal多くの追加カロリーを摂取していたという。
追加の200kcalはそれほど多くないように見えるが、定期的に飲むのであれば大きな影響がある。

 「追加の3,500kcalが1ポンドの体重増加に等しい。毎日200kcal余分に摂取すれば、1か月で簡単に超えてしまう量なのだ」と筆頭研究者のアッシャー・ロージンガー助教授はコメントしている。
 「ただし、米国の一部地域では、水の汚染が心配されている。そのために子供にソーダを与える両親もいることはよく考える必要がある。」

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>水を飲まない子供は加糖飲料の摂取が多い (2019.5.7)
   http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=66785&-lay=lay&-Find.html

 

○妊娠中のナッツの摂取は、小児の神経発達改善と関連する?!
  
 妊娠初期のナッツの豊富な食事は、子供の精神発達の改善と関連するようだ、というバルセロナグローバルヘルス研究所等からの報告。

 ナッツは、高血圧、酸化ストレス、糖尿病のリスク減に役立つとされ、これまで、高齢者の認知機能に保護的効果を有する可能性が示唆されている。今回の研究により、ナッツに関する新しいエビデンスが加えられるという。

 今回の研究の対象者は、スペインのアストゥリアス、ギプスコア、サバデル、バレンシアで行われたINMAプロジェクトに属するコホートに登録されている母子のペア約2,200名である。母親のナッツ摂取については、妊娠初期と妊娠後期、食生活に関するアンケートにより評価、子供の神経心理学的発達状況については、生後18か月、5年、8年後、国際的に妥当性が示された標準試験を用いて評価され、関連性が検討された。
 結果は、妊娠初期、ナッツ高摂取の母親から生まれた子供は、認知機能、注意力、作業記憶に関し良好な結果が認められたという。一方、妊娠後期のナッツ摂取も分析したところ、神経心理学的アウトカムとの関連性は認められなかったか、弱い関連性が認められた程度だった。

 「今回ナッツに含まれたのは、クルミ、アーモンド、ピーナッツ、松の実、ヘーゼルナッツである。この観察された有益な効果は、ナッツに高濃度の葉酸と、特にオメガ-3系およびオメガ-6系脂肪酸が含まれるからだと思われる。これらの成分は神経組織に蓄積し、記憶や遂行機能を高めるだろう」と筆頭研究者のフローレンス・ギニャックは語っている。

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>妊娠中のナッツの摂取は、小児の神経発達改善と関連する?! (2019.5.10)
   http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=66838&-lay=lay&-Find.html

 

○植物ベースの食事療法は心不全リスクを減らすのに効果的でありえる
  
 植物ベースの食事は、既存の心疾患のない成人の心不全リスクの低下と関連しているようだ、という米国メイヨークリニックからの研究報告。

 研究チームは、米国の「地理的・人種的脳卒中発症差異原因」(REGARDS)研究から45歳の白人及び黒人16,608名のデータを解析した。参加者は、107品目の食品に基づいた150項目の質問紙に回答し、それに基づいて5つの食事パターン(通常、植物ベース、糖と脂、南部、飲酒とサラダ)に分類された。
 平均8.7年の追跡期間に363件の心不全による入院があった。

 解析の結果、植物ベースの食事パターンを最も順守した者は、最も順守しなかった者に比べて、心不全の入院リスクが41%低かった。逆に、南部パターンを最も順守した者は心不全の入院リスクが72%高かった。これは肥満と過剰な腹部脂肪が原因であるようだという。
他の食事パターンには心不全の入院リスクとの関連は見られなかった。

 → LINK de DIET>ニュースセレクト>植物ベースの食事療法は心不全リスクを減らすのに効果的でありえる
(2019.5.9)
   http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=66805&-lay=lay&-Find.html