◆大学・研究機関等の公表資料より

○75歳以上の約8割が2疾患以上、約6割が3疾患以上の慢性疾患を併存 (東京都健康長寿医療センター)
 東京都の後期高齢者約131万人分のレセプト(診療情報明細書)情報を分析し、後期高齢者の約8割が2疾患以上の慢性疾患を併存、約6割が3疾患以上の慢性疾患を併存していることを明らかにしました。
 https://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/relese20190201.pdf

○もの忘れ外来の受診患者さんから検便サンプルを採取・解析して、腸内細菌は認知症と強く関連することを見出しました (国立長寿医療研究センター)
 もの忘れ外来を受診した患者さんに認知機能検査や頭部MRI検査などを実施し、検便サンプルを国立長寿医療研究センターのバイオバンクに収集しました。T-RFLP法(糞便から細菌由来のDNAを抽出し腸内フローラを網羅的に解析する手法)を用いて腸内フローラを解析しました。腸内フローラの組成と認知症との関連について、バクテロイデスが多いタイプの割合が低く、その他の菌種が多いタイプの割合が認知症の人で高くなっていました。
 http://www.ncgg.go.jp/monowasure/news/20190201.html

○心房細動を有する脳梗塞または一過性脳虚血発作患者において発症前のワルファリン療法は短期転帰を改善するが長期転帰は改善しない (国立循環器病研究センター)
 基礎疾患として心房細動を有する、脳梗塞またはTIA患者を対象とした多施設共同観察研究であるSAMURAI-NVAF研究を国内18の脳卒中センターで実施し、そのサブ解析として発症前の抗凝固療法による短期および長期転帰(機能転帰不良または死亡)の改善効果を検討しました。本研究に登録された1,189例について、(1)発症前に抗凝固療法を行っていなかった群、(2)不十分な薬量でワルファリンを服用していた群、(3)十分な薬量でワルファリンを服用していた群に分け、3ヶ月後および2年後転帰と2年以内の虚血イベント(脳梗塞やTIAの再発など)の有無を調査しました。
 その結果、(1)群に比べて(2)(3)群では来院時の重症度が低く、3ヶ月後転帰が良好であるものの、2年後転帰には有意差がないことが明らかになりました。また、(1)群に比べて(3)群では虚血イベントを起こす割合が高いことも明らかになりました。
 http://www.ncvc.go.jp/pr/release/190130_press.html

◆LINK de DIETより

○ 亜鉛欠乏が高血圧に関与している可能性がある
 亜鉛欠乏は、腎臓のナトリウム代謝に影響することで高血圧に寄与するようだ、という米国ライト州立大学からの研究報告。
 亜鉛欠乏症は、2型糖尿病や慢性腎疾患などの慢性疾患の患者で一般的である。亜鉛レベルが低いことはまた高血圧の高いリスクに関連している。腎臓は尿中にナトリウムを排出か再吸収するが、特に塩化ナトリウム・コトランスポーター(NCC)と呼ばれる経路は、血圧の制御にも重要な役割を担っている。尿中のナトリウムの低下はより高い血圧に関連する。最近の研究は、亜鉛がNCCを制御するたんぱく質を制御する助けになることを示唆しているが、亜鉛欠乏が高血圧を直接もたらすかどうかは証明されていなかった。
 研究チームは、亜鉛欠乏の雄マウスを健康なマウスと比較した。亜鉛欠乏マウスは、高血圧を発症し、同時に尿中ナトリウム排出が低下した。対照マウスにはみられなかった。亜鉛欠乏マウスに亜鉛を摂取させると、血圧が低下し、尿中ナトリウム排出が増加した。
 「これらの顕著な知見は、腎臓のナトリウム再吸収の促進が亜鉛欠乏誘導性高血圧において重要な役割を果たしていることを証明している」と研究チームは述べている。
 「亜鉛欠乏が高血圧に寄与する特異的なメカニズムの理解は、慢性疾患における高血圧治療において重要な影響を持つだろう」と研究チームはまとめた。
 http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=65875&-lay=lay&-Find.html

○ 減量のペースは「速め」「ゆっくり」どちらが良い?
 減量のペースの速い・遅いは心血管疾患や糖尿病リスクには関係がなさそうだという。英ヨーク大学による最新の研究により初めて示された。ただし、速すぎる減量には胆石リスクの軽微な上昇がみられるため、週あたり1-2ポンド(約450-900g)減のペースを守るのがよさそうだとのこと。また健康上の恩恵の大小は「どれだけ体重を減らせたか」にかかっている。
 ヨーク大学のクック准教授らの研究チームは、臨床体重管理プログラムに参加した11,000人あまりのデータを精査した。すると、減量ペースの速い・遅いに関わらず、代謝上の健康状態において同様の改善効果がみられたという。また、減量の「割合」よりも「量」のほうが全般的な健康上の利点と関係が深いことがわかった。
 通常、減量のペースは週あたり1-2ポンド(約450-900g)減とすることが推奨されている。速すぎる減量は胆石リスクをわずかながら上げてしまうためだ。とはいえ、速く減量するほど心血管疾患や糖尿病の危険因子に効果があるのではとの考えもある。
本研究は、心血管の健康と糖尿病の危険因子を具体的に検討した初めての研究だ。
 クック准教授は「同じ重さだけ減量するならば、減量のペースが速くても遅くても、健康上の利点に違いはありません。しかし、速すぎる減量に伴う胆石のリスクを考えると、週あたり1-2ポンドの減量にチャレンジするほうが安全でしょう」と話している。
 なお、今回の研究では、減量ペースの速かった人はゆっくりだった人に比べて肥満の解消度がより大きく、健康状態もより改善する傾向のあったことが明らかになった。しかし、これらの傾向は減った体重の「量」を考慮すると相殺されたという。
 http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=65919&-lay=lay&-Find.html

○揚げ物は高齢女性の死亡リスクを高めるかもしれない
 揚げ物の摂取は、閉経後の米国女性の死亡や心疾患による死亡リスクを上げるようだ、という米国アイオワ大学等からの研究報告。
 北米の成人では、3人に1人が毎日ファストフードを食べている。揚げ物の摂取は、2型糖尿病や心疾患のリスクを高めることが報告されているが、死亡リスクに関してのエビデンスは少ない。
 そこで、本研究では、揚げ物の摂取と全死亡、心疾患による死亡、がんによる死亡について検討した。
 1993年から1998年にWHI(女性健康イニシアチブ)研究に参加した50-79歳の閉経女性10万6,996人を対象に、2017年まで追跡調査を行った。追跡期間中に、3万1,588人が死亡し、そのうち9,320人は心疾患による死亡し、8,358人はがんによる死亡だった。
 揚げ物は、フライドフィッシュやその他の揚げ物、フレンチフライやトルティーヤやタコス等とした。
 結果として、揚げ物を食べない人に比べ、揚げ物を1日1サービング以上摂取する女性は、8%高い死亡リスクと関連した。
 フライドチキンでは、1日1サービング以上の摂取で死亡リスクは13%高く、心疾患死亡リスクは13%高かった。同様に、魚介類の揚げ物では、1日1サービング以上の摂取で、死亡リスクが7%高く、心疾患死亡は13%高かった。
 けれども、揚げ物の摂取とがんによる死亡とは関連がみられなかった。
 http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=65880&-lay=lay&-Find.html