2018年を振り返り、健康食品・サプリメントに関連した「重大ニュース」を選んでみました。各項の数字は順位ではありませんので「十大」でなく、「重大」ニュースで。

1. 課徴金健康食品初の1億円
 2018年は、景品表示法違反の措置命令に対する課徴金の納付命令が1年間(1月1日~12月31日)で29件出されました。
 多くが、健康食品を含む健康関連製品の販売にための広告・宣伝に対する優良誤認に対するものでした。
 そしても課徴金が1億円を超えるものまでありました。
 措置命令の件数も増えており、今年以降も課徴金納付命令が増えることが予想されます。

2.機能性表示食品 今年も堅調な届け出
 平成30年度の届出は、ガイドラインの改定により、年度当初は届出件数が伸び悩んだが、秋から一気に件数が増え、30年12月31日現在の公表件数は304件(11月9日届出分まで)となっており、最終的には平成29年度の452件を上回るペースの届出となっている。
 一方で、制度が始まって全1686件が届け出られ、144件が届出撤回されている(29年12月31日時点)。

3.食品衛生法の改正
 6月に食品衛生法が約15年ぶりに改正、公布された。
 改正点の概要は、下記のとおり。
 1) 広域的な食中毒事案への対策強化
 国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のため、相互に連携や協力を行うこととするとともに、厚生労働大臣 が、関係者で構成する広域連携協議会を設置し、緊急を要する場合には、当該協議会を活用し、対応に努めることとする。
 2)HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
 原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。ただし、規模や業種等を 考慮した一定の営業者については、取り扱う食品の特性等に応じた衛生管理とする。
 3)特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
健康被害の発生を未然に防止する見地から、特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、事業者から行政への健康被害情報の届出を求める。
 4)国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度の導入等を行う。
 5)営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。
 6)食品リコール情報の報告制度の創設
営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。
 7)その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)

4.薬機法改正のための報告書
 12月25日、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会から、薬機法の制度改正に関する報告書が公表されました。薬機法の改正は、平成31年度に行なわれる予定ですが、その骨子となる報告書が公表されました。

 無承認医薬品の広告、医薬品の誇大広告に対して、課徴金制度が導入されることが謳われており、課徴金の額の算定については、違法行為の対象となった製品の売上額に一定の算定率を乗じる簡明な算定方式を採用すること、 納付命令の実施主体については、国と都道府県等の双方に権限を付与することが盛り込まれている。

5.機能性表示食品 機能性表示が薬機法違反で撤回
 機能性表示食品として届出され、既に市場出ているものについて、厚生労働省からの指摘により、消費庁から届出メーカーに対し、撤回の指導があった。
 「3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート(HMB)には、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力の低下抑制に役立つ機能、歩行能力の改善に役立つ機能、体脂肪の減少に役立つ機能があることが報告されています。」の、「歩行能力の改善」が、医薬品的な標榜にあたるとされたもの。
 オパルモン(リマプロスト アルファデクス)の効能・効果に「・後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善」があり、指摘されたと言われている。

 また、昨年夏には、GABAの睡眠の質(寝つき)に関して、OTC医薬品の効能に抵触するとして認められなくなっている。

6.機能性表示食品ガイドライン第3次改訂公表
 3月28日に、機能性表示食品ガイドラインの第3次改訂が公表された。改定は即時改定と届出データベース改修後から改定の2段階での運用となった。

 即日運用として
・届出確認の迅速化 (事業者団体等の事前確認)
・生鮮食品の届出 (一部を摂取できる旨の表示)
・糖質、糖類の届出
・分析方法の開示
・データベース改修後運用(2019年3月末?)
・届出資料の簡素化(改正前より入力項目の約30%削減)
・届出確認の迅速化 (機能性表示食品(再届出))
・植物エキス及び分泌物の届出
・販売状況の届出

7.特別用途食品の拡大の動き
 4月1日から、「とろみ調整用食品」の追加、8月8日から「乳児用調製液状乳」が追加された。

 また、秋には日健栄協から、特別用途食品に関し、3つの要望が出され、既に変更の方向で審議されている。
 ・要望内容
 1. 総合栄養食品の許可基準見直し
 (1)病者の使用実態に合わせ、「経口もしくは経管で摂取するのに適している旨」を許容される特別用途表示の範囲として加えていただきたい。
 (2)現行では栄養成分の基準および標準範囲を外れて調整した成分がある場合は「○○調整」と表示することとあるが、消費者の誤認リスクを低減する目的で、「○○増量調整」および「○○低減調整」に変更願いたい。
 (3)栄養成分の基準および標準範囲について、静脈経腸栄養ガイドライン第三版や日本人の食事摂取基準2015年版、現行製品の使用実績等が考慮された数値に変更願いたい。
 2. 個別評価型病者用食品に関する許可基準の見直し
  個別評価型病者用食品における「関与する成分」として、「疾病の治療等に関与する食品 成分」に加え、「機能性成分」を追加願いたい。
 3. 病者用食事セット(腎臓病用・糖尿病用)の追加
  規格基準型病者用食品に病者用食事セット(腎臓病用・糖尿病用)を新規追加願いたい。

8.食品表示法の完全施行まで、1年3か月
 食品表示法が、平成27年4月1日に施行され、加工食品については、栄養成分表示が義務付けられ、その措置期間の32年3月31日まで、残り1年と少しとなった。
 消費者庁をはじめ各省庁から、食品事業者への啓もう活動が活発に行われている。
 残念ながら、大手事業者を除く多くの事業者で対応できていないのが現状であり、今年は対応に追われる事業者も増えそうである。

 旧食品表示から変更・追加しなければならない主な点
 ・原材料と添加物の明確な区分
 ・アレルゲンの表示をより見やすく(原則個別表示、特定加工食品表示の廃止など)
 ・製造所固有記号の原則使用禁止と製造所の記載
 ・栄養成分表示の義務化(Naから食品相当量への変更)
 ・原料原産地の記載義務化(34年3月31日まで)

9.日本チェーンドラッグストア協会事務総長・宗像守氏が逝去
 日本チェーンドラッグストア協会を立ち上げ、ドラッグストアこそが健康維持や予防を担える業態であり、2025年ドラッグストア業界10兆円産業にすることを目標に、ドラックストア業界を牽引してきた日本チェーンドラッグストア協会事務総長 宗像守 氏が、6月26日に逝去された。
あらためて深く哀悼の意を表します。

10.その他
・機能性表示食品の売り上げは、右肩上がり、2018年度は2000億円にも届く勢い
・トクホの売り上げも、落ちることなく、微増
・遺伝子組み換え医薬品の表示変更のための食品表示基準案の公表
・食品表示のグランドデザインの見直し検討会開催
・食事摂取基準(2020年版)の策定の検討スタート
・サプリメントのアンチドーピング認証取得が拡大

以上