◆行政公表資料より

1)自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために
  ~国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査~  (厚生労働省、12月28日)
 国民健康保険(以下「国保」という)における糖尿病性腎症重症化予防の取組を調査報告書に取りまとめましたので、公表します。
 わが国の高齢化の進行に伴い、生活習慣病が増加し、中でも糖尿病は、初期段階では自覚症状が無いため、長年放置されると、糖尿病性腎症の重症化進行により人工透析による治療が必要となるリスクがあります。この場合、患者本人及び家族の苦痛は著しく、また医療費負担の増大が懸念されます。
 今回、糖尿病性腎症重症化予防の取組に関して、長野県松本市、埼玉県及び所沢市、志木市並びに東京都足立区の国保を訪問して、調査いたしました。
 報道発表:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000199434_00007.html
 報告書概要:https://www.mhlw.go.jp/content/12605000/000464413.pdf
 報告書全文:https://www.mhlw.go.jp/content/12605000/000464416.pdf

◆LINK de DIETより

2)運動と.薬、高血圧に「より」効くのはどっち?
 高血圧患者にとって、運動は血圧降下薬並みに血圧を下げる可能性が示された。とくに持久力トレーニングと動的筋力トレーニングを組み合わせることで収縮期血圧の低下に期待できそうだという。英国ロンドン大学LSE校の研究。

 高血圧(収縮期血圧140mmHg以上)の改善には、血圧降下薬の服用のほか運動も効果的といわれるが、どちらがより血圧を下げてくれるのだろうか。
 これまでに、運動と血圧降下薬の効果を直接比較した臨床試験はないため、研究者らはそれぞれの効果について検討した試験を収集し、統合して解析することにした。
 具体的には、運動については構造化された運動プログラムと血圧の関係についての臨床試験197件、血圧降下剤についての試験は194件を用いた。
 構造化運動は次のように分類した。
 (1)持久性トレーニング:ウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳、高強度インターバルトレーニング
 (2)動的筋力トレーニング:ダンベルやケトルベルなどの筋力トレーニング
 (3)アイソメトリック運動:静的プッシュアップなど
 (4)持久性トレーニングと動的筋力トレーニングの組み合わせ
 そして、全分類の血圧降下薬と全分類の運動の比較。そして、各種類の薬と各種類の運動の比較。さらに薬の用量の違いと運動強度の違いによる比較を行った。

 その結果、構造化運動プログラムを受けている人々よりも血圧降下薬を服用した人々の方が血圧は低くなったことが示された。ただし、ここで注意すべきなのは、血圧降下剤の試験の対象者には必ず高血圧患者が含まれていたのに対し、運動プログラムの試験のうち高血圧患者が含まれていたのは1/4程度のみだったことだ。
 そこで、対象を高血圧患者に限定して再解析したところ、運動はほとんど血圧降下薬と同程度の効果的が見出されたという。さらに運動の有効性は、高血圧の基準値:140 mmHgを超えて上がるほど高くなると分かったという。
 研究者らはまた、「持久力トレーニングと動的レジスタンストレーニングを組み合わせることが「収縮期血圧」の低下に効果的であることも発見した。
 なお、今回の結果は有望ではあるが「血圧降下薬を取りやめて運動療法に切り替えるほうが良い」といえるまでの確証が得られた訳ではない、と研究者らは忠告している。構造化された運動プログラムの試験は、血圧降下薬の試験に比べて少なく、小規模であったためだ。
 https://bjsm.bmj.com/content/early/2018/12/05/bjsports-2018-099921

◆大学・研究機関等公表資料より

3)フラワーアレンジメントが高次脳機能障害者の記憶力向上に効果 (農研機構・茨城県立医療大学、2018年12月18日)
 農研機構と茨城県立医療大学は、事故や脳卒中などにより認知機能に障害を負った高次脳機能障害の方々がフラワーアレンジメントを利用した認知機能の訓練(SFAプログラム)を実施すると、記憶力が向上し、その効果が3ヵ月間保たれることを明らかにしました。高次脳機能障害者の認知リハビリテーションへの活用が期待できます。
 http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/120587.html

4)感染症治療で懸念されているコリスチン耐性菌が途上国住民の間で広く蔓延していることが明らかとなる (日本医療研究開発機構、12月18日)
 開発途上国の住民におけるコリスチン耐性菌保有状況を調べ、70.4%と極めて高率であることを明らかにしました。ボーダレス社会の今日では、国や地域を超えて耐性菌が容易に広がるため、国際的な耐性菌監視体制強化と迅速な蔓延予防対策が求められます。
 ベトナム・タイビン省の地域コミュニテイー住民98人の糞便からコリスチンに耐性を示す菌の検出率(腸管に棲息している割合)は、70.4%(69人)でした。これらの耐性菌はいずれも伝達性コリスチン耐性遺伝子(mcr)を保有していることも判明しました。
 https://www.amed.go.jp/news/release_20181218-02.html

5)慢性腎臓病患者において高体重は短期予後の予測因子である (東京医科歯科大学、12月20日)
 日本国内大規模診療データベースであるDPCデータを用いて、過去3年分の日本全国の入院患者情報、処方内容、診療内容などを収集し、緊急入院(非計画入院)となった約26000人の透析未導入のCKD患者におけるBMI と入院時死亡の関係について検証した。
 感染症合併群では糖尿病の有無に関わらず BMI 高値になるにつれて予後良好となる傾向が認められましたが、感染症非合併群においては、糖尿病を合併する場合は、超高体重群において予後良好となる関連は認められませんでした。
 糖尿病非合併のCKD 患者においては、感染症合併の有無に関わらず、高体重が短期予後良好と関連する傾向が認められました。
 発表:http://www.tmd.ac.jp/medhospital/topics/181225_02/
 同・pdf:http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20181220_1.pdf

6)がん患者の人生の最終段階における苦痛や療養状況に関する初めての全国的な実態調査の結果を公表  (国立がん研究センター、12月26日)
 患者の人生の最終段階において、医療者は患者の苦痛を取り除くために速やかな対応に努めている状況が推測され、医療に対する満足度は高くある一方で、必ずしも全ての人の苦痛が十分に取り除かれていない現状が示唆されました。今後は、これらの苦痛を軽減するため、必要となる緩和ケアや医療に関する施策や研究について、より一層進めていくことが重要と思われます。
 報道発表:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/1226/index.html
 報告:患者さんが亡くなる前に利用した医療や療養生活に関する実態調査 https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/sup/project/090/index.html