◆LINK de DIETより

1)うつ病と食生活の関係
 加工食品はうつ病リスクを高めるが、魚は下げる? 豪州トレス海峡諸島において、ファストフード店のある島に住む人と無い島に住む人では、血中脂肪酸の組成が大きく異なるほか、それに比例するようにうつ病患者の割合にも差があることが明らかに。豪州ジェームズ・クック大学による研究。

 この一風変わった研究では、トレス海峡諸島にあるファストフードのあるワイベン島、無いマレー島での調査の結果、魚と加工食品の摂取量とうつ病に関連があることがわかったという。
 筆頭著者のベルガ―博士らのチームは2つの島で、各100人あまりを対象としたインタビューを行い、食生活やうつ病レベルのスクリーニングをしたほか、血液サンプルを採取した。予想通り、ファストフードのないマレー島の住人の方が、有意に魚介類の摂取量が多く、テイクアウト食品は少なかった。
 全被験者の中で19人は中~重度の抑うつ症状が確認されたが、そのうち16人はファストフードのあるワイベン島の住人で、無いマレー島の住人ではわずか3人だった。「重度の抑うつ症状のある人は若く、かつテイクアウト食品の摂取量が多かったのです」とベルガ―博士。
 血液サンプルを分析したところ、2島の住人には脂肪酸のレベルに差異のあることがわかった。
 博士は「うつ病との関連があるとされる脂肪酸は多くのテイクアウト食品にたくさん含まれており、ファストフードのある島の住人の血中にも多くみられました。うつ病の予防効果があるとされる脂肪酸は魚介類に豊富に含まれ、もう一方の島の住人において血中濃度が高かったのです」
 「現代の西様式食では、うつ病に関連するn-6系脂肪酸に対し、うつ病の予防効果を持つn-3系脂肪酸の摂取量が相対的に少ないことに気を留めることが大事です。伝統的な食生活の国では、n-6系とn-3系の比率が1:1であるのに対し、先進国では20:1にもなるのです」と話している。
 とはいえ、うつ病は複雑であり、社会・環境因子にも影響を受ける。ただ、今回の結果は魚介類に含まれるn-3系脂肪酸を豊富に摂取し、テイクアウト食品に多いn-6系脂肪酸を控えめにすることが有益な場合があることを示唆しているとのこと。
 https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/1028415X.2018.1504429?journalCode=ynns20

2)喫煙、糖尿病、高血圧の女性は、男性よりも心臓発作のリスクが高まる
 喫煙、糖尿病、高血圧のリスクのある女性では、男性よりも心臓発作のリスクが高かったという、英国オックスフォード大学からの研究報告。

研究では、40~69歳の47万2千人のうち、喫煙、糖尿病、高血圧、BMI25以上の男女の心臓発作のリスクを検討した。
 男性の喫煙者は非喫煙者と比べ、心臓発作のリスクが2倍以上高く、女性の喫煙者では、3倍以上リスクが高かった。これは、過剰相対リスク(リスク要因のみの影響を考慮したリスク)と呼ばれている。
 この過剰相対リスクは、女性において、高血圧、糖尿病1型と2型でも同様の結果であった。肥満では見られなかった。
 全体では、女性と比べ男性の方が心臓発作を起こしやすい。しかし、心臓発作のリスク要因をもつ女性は、男性よりも心臓発作のリスクが高まる。そのため、このようなリスクをもつ女性は、相対的に疾患のリスクが高まるだろうと、筆頭著者のエリザベス・ミレット教授は述べている。
 1日20本以上たばこを吸う者の心臓発作の過剰相対リスクは、男性の2倍であった。高血圧では、男性よりも女性の相対リスクが80%も高かった。男性と比べ女性において、1型糖尿病の相対リスクは3倍高く、2型糖尿病では47%高かった。
 https://www.bmj.com/content/363/bmj.k4247

3)2つの部族の研究が西洋に影響された食事の血圧に対する役割を明らかに
  西洋型の食生活の影響を全く受けていない南米の孤立して暮らす部族で、平均血圧が1歳から60歳まで上昇しないことが、米国ジョンズホプキンズ大学の研究から明らかになった。対照的に、幾つかの加工食品と塩を含む商品を摂取する近隣の部族では、中年後期になると血圧が上昇した。

米国はその他ほとんどの国々で、血圧はかなり幼いことから年齢とともに上昇していく。本研究結果は、西洋化の傾向が血圧を年齢とともに上昇させる原因であり、自然な加齢ではないという仮説を支持するものである。
 研究チームは、1歳から60歳の72名のヤノマミ族の血圧を測定し、年齢による傾向が見られないことを発見した。研究チームはまた、近隣のイェクワナ族の83名の血圧も測定した。イェクワナ族は、食事に西洋の影響を受けており、加齢によって血圧が上昇する明確な傾向が見られたという。
 ヤノマミ族は、ブラジル北部とベネズエラ南部の隔絶した熱帯雨林地域に住み、狩猟採取と農耕生活を送っている。彼らの食事は脂肪と塩分が少なく、果物と食物繊維が多い。ヤノマミ族の研究は1980年代に始まり、動脈硬化と肥満がほぼ存在せず、極めて低い平均血圧をもっていて、それが加齢とともに上昇しないことが知られている。
 今回の研究は、ヤノマミ族の年齢に関係ない血圧の安定が、極めて幼いころからのものであることを明らかにした。また地理的に隣接して住むが西洋化されたイェクワナ族と初めて比較検討したものである。
 https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2713959

◆大学・研究機関等の公表資料より

4)肥満度と病型別脳梗塞の発症リスクとの関連 (国立がん研究センター 社会と健康研究センター) 
 男女とも、BMI 30kg/m2以上のグループは、BMI 23- <25kg/m2のグループに比べ、心原性脳塞栓の発症リスクが約2倍高くなりました。また、女性ではBMI 30kg/m2以上のグループは、BMI 23- <25kg/m2のグループに比べ、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞の発症リスクも約2倍高くなりました。
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8229.html

5)大阪市の10年間累計約20万人分のビッグデータを解析。要介護認定を受けた高齢者の特徴が明らかに (大阪市立大学)
 大阪市の高齢者が新規に要介護認定を受けた時点では、男性の独居高齢者は女性の独居高齢者に比べて、年齢が若い特徴がみられました。また、独居高齢者であることは認知機能や生活機能の維持と関連しており、認知機能・生活機能を維持しているため独居を継続している可能性や独居者は機能低下の前に生活上のニーズから要介護認定を受けている可能性が考えられます。
 https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2018/181214-3

6)赤ちゃんの脳障害を見極める新たなバイオマーカーを発見 (国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第2部室長の伊藤雅之らの研究グループは、赤ちゃんの出生時に起こる脳疾患の中で最も多い新生児低酸素性虚血性脳症の早期発見につながる有効なバイオマーカーを新たに発見しました。

 新生児低酸素性虚血性脳症は、母体内で、あるいは分娩(ぶんべん)中になんらかの原因で新生児の脳への酸素供給や血流が滞ることによって引き起こされる脳障害です。新生児低酸素性虚血性脳症は年間約 2,500 人に発生し、約30%程度が死亡や重篤な後遺症を残します。
 受傷後 6 時間以内の低体温療法の有効性が報告されるようになりましたが、できるだけ早く専門医 療施設で治療を行うことが課題となっています。本研究チームでは、この早期診断・早期治 療につながる、新しい指標(バイオマーカー)を発見しました。
 この発見により、新生児低酸素性虚血性脳症の重症度診断が容易になり、そして予後予測による治療の適切な選択と医療機関の有効利用が可能になることで、退院後の診療・療育の 早期対応の新しい道が拓かれたと期待されます。
 https://www.ncnp.go.jp/up/1544510446.pdf

◆行政公表資料より

7)平成30年(2018)人口動態統計の年間推計(厚労省)
 厚生労働省から、昨日(12月21日)、平成 30 年(2018)人口動態統計の年間推計が公表されました。
 【結果のポイント】
 平成 30 年(2018)は以下のとおり、推計される。
 出生数: 92万1000人
 死亡数:136 万 9000人
自然増減数:△44万8000人
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei18/dl/2018suikei.pdf

8)2017年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告(厚労省)
12月21日、厚生労働省から、「2017年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」が公表されました。報告のポイントは下記の通り。

・皮膚障害:装飾品によるものが43.6%と最も多かった。
<使用者へのアドバイス>
症状が発現した場合には、原因製品の使用を中止し、医療機関を受診しましょう。
・小児の誤飲事故:タバコによるものが23.0%と最も多かった。
<使用者へのアドバイス>
小児の目に付くところや手の届く範囲には、小児の誤飲しうる大きさのものは置かないようにし、誤飲が起こったときは、早めに医療機関を受診しましょう。
・吸入事故:洗浄剤によるものが20.7%と最も多かった。
<使用者へのアドバイス>
 使用上の注意をよく読み、正しく使用しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/11124000/000451978.pdf