〇行政公表資料より

◆最近の調剤医療費(電算処理分)の動向
 ~抗インフルエンザ薬の薬剤料等の推移について (厚労省、平成30年11月26日)

 2013年4月から2018年3月調剤分(2013年5月から2018年4月審査分)の調剤レセプト(電算処理分)のデータを用いて、抗インフルエンザ薬の薬剤料等を集計したもの。
・抗インフルエンザ薬の薬剤料は毎年徐々に増加しているが、2017年度は特に伸びが大きい(2017年度323億円)。
・2013年度から2017年度のインフルエンザの定点当たり報告数を見ると、2013年度、2015年度は2 月にピークを迎え、2014年度、2016年度、2017年度は1月にピークを迎えている。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/dl/cyouzai_doukou_topics_h30_11.pdf

〇大学・研究機関等の公表資料より

◆日本人のがん予防:喫煙と子宮頸がん (国立がん研究センター 社会と健康研究センター)
 同センター「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の成果のひとつとして発表。この発表によると、日本人において喫煙により子宮頸がんのリスクは確実に上昇するという結論になりました。
 喫煙が子宮頸がんの発癌に関与する生物学的メカニズムは、たばこに含まれる多くの発癌物質が直接的に子宮頸がん発症に影響を及ぼす可能性が示唆されています。加えて、これらの発癌物質は免疫機能を低下させる可能性があるため、HPVの持続感染を引き起こし、発癌リスクを高めているのかもしれません。
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8230.html

◆高カカオチョコレート摂取が、動脈硬化や認知機能にかかわる生体指標を改善することを確認 (明治)
 45〜69歳までの347人に、1カ月間、カカオポリフェノールを多く含む高カカオチョコレートを毎日一定量摂取していただき、摂取前後の血圧や血液成分などの身体の状態の変化を検証した。
チョコレートの摂取前と摂取4週後の検査結果を比較した結果、以下の点が認められました。
・血圧が低下(血圧が高めの人ほど、正常な血圧の人より血圧が低下)
・善玉コレステロール(HDLコレステロール)が上昇
・動脈硬化の検査などに使われる炎症指標(hs-CRP)と酸化ストレス指標(8-OHdG)が低下
・精神的にも肉体的にも活動的になった(アンケート調査による結果)
・血中BDNF(脳由来神経栄養因子)が上昇
・チョコレートの摂取前後で、体重・BMIの増加は認められなかった
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2018/detail/20181127_01.html

◆エナメル質形成不全(むし歯になりやすい歯の異常)は西高東低
 ~日本小児歯科学会全国調査の結果から (富山大学)
 全国 47 都道府県の 388 歯 科施設の協力を得て、7 歳から 9 歳の健常児童 4,985 人に対して、日本小児歯科学会認定小児歯 科専門医による診察と質問票を用いて実施した結果。
 エナメル質形成不全の有病率は、日本全体で 19.8%でした。地域別では、北海道 (14.0%)、東北( 11.7%)、関東信越(18.5%)、東海北陸(19.3%)、近畿(22.3%)、中国( 19.8%)、 四国(28.1%)、九州(25.3%)であり、全体として西高東低の地域差を認めました。最も高い 四国は、最も低い東北の 2.4 倍になります。
https://www.u-toyama.ac.jp/outline/publicity/pdf/2018/20181126c.pdf

〇LINK de DIETより

◆「深夜のスナックは、カテージチーズにする?
 深夜の夜食にカテージチーズを食べると筋肉の質、代謝、全般的な健康に良い影響がみられるだけでなく、体脂肪の増加も抑えられるようだ、という、米国フロリダ州立大学などからの研究報告。
研究チームは20代前半の活動的な女性10名を対象に飲料盲検化ランダム化クロスオーバーデザインでたんぱく質の効果を検証した。就寝前30-60分の間にカテージチーズ(たんぱく質30g、炭水化物10g、脂質0g)、カゼイン飲料(サプリメント)、またはプラセボの何れかを摂取してもらった。
その結果、カテージチーズは、カゼイン飲料と全く同じ効果があることが明らかになったという。
「これまで、ホールの食品がたんぱく質サプリメント(カゼイン)と同じ作用を持つことが推測されていたが、実証されていなかった。これは重要なことだ。通常の食品でもサプリメントと同様に機能するのである」と主任研究者のマイケル・オームスビー准教授はコメントしている。
https://www.cambridge.org/core/journals/british-journal-of-nutrition/article/presleep-protein-in-casein-supplement-or-wholefood-form-has-no-impact-on-resting-energy-expenditure-or-hunger-in-women/FA272FC2E0B8C9FF85C6DA0918EDFEB7

◆ココアフラバノールとプロシアニジンの心臓の健康への新しい洞察 
ココアの血圧、動脈硬化度、コレステロール、血管機能の改善効果は、主としてフラバノールによるものであり、プロシアニジンの寄与は低いようだ、という、独デュッセルドルフ大学、マース社などによる臨床試験の報告。
研究チームは、45名の健康な成人男性を対象に、ランダムに3群に分け、1か月にわたって、1)フラバノール、プロシアニジン、2)プロシアニジン、3)プラセボ(偽薬)を摂取させた。
その結果、フラバノールとプロシアニジンを共に摂取した男性は、血圧、動脈硬化度、コレステロールが改善し、同時に血管機能も改善したという。
プロシアニジンのみを摂取した男性ではコレステロールの低下効果しか観察されなかったことから、血管機能、血圧、動脈硬化度に対する効果は主としてフラバノールの効果と考えられるという。
「我々はココアフラバノールに関する以前の知見を確認することができた。またフラバノールとプロシアニジンの各々の心血管系への影響についての新しい洞察を得ることができた」と責任著者で英国サリー大学のクリスチャン・ハイス臨床教授はコメントしている。
https://academic.oup.com/ajcn/advance-article/doi/10.1093/ajcn/nqy229/5144478

◆妊娠力に関係? 男性とサプリ
近年、男性の精子の質の低下が指摘されている。食生活による改善も期待されるが、これまでエビデンスは欠如していた。スペインのロビラ・イ・ビルジリ大学などは過去最大のレビューを行い、特定の栄養素が精子の質を向上させる可能性を見出した。

不妊症は世界的にみると人口の15%にみられ、世界保健機関(WHO)は全世界の健康問題としている。近年、発展途上国各地における精子の質に関する研究では、その低下が示されているが、これは人間の種の保存に係る問題だ。精子の質の低下は、不健康な生活様式に関連しているとされる。改善が可能な主な要因としては、ストレス、麻薬、たばこ、アルコール、不健康な食生活があげられる。
現在、精子の質に対する、食べ物およびサプリメントの影響についてはエビデンスが欠如しているにもかかわらず、不妊治療クリニックでは、患者に体外受精(IVF)または顕微授精(ICSI)を行う前に食事療法を勧めたり、サプリメントを提供しているところも多いという。
スペインのロビラ・イ・ビルジリ大学とぺレ・イ・ビル尻研究所、メキシコのグアダラハラ大学は共同で、無作為化臨床試験の最も広範かつ体系的なレビューを行い、様々な栄養素やサプリメントが精子の質と男性の授精能にどう影響するかを調べた。
2900人の参加者を含む28の研究結果を定性的に分析した結果、精子とサプリメントの成分には次のような関係性がみられたという。
【数の増加】オメガ3系脂肪酸・コエンザイムQ10
【濃度の上昇】セレン・亜鉛・オメガ3系脂肪酸・コエンザイムQ10
【運動性向上】セレン・亜鉛・オメガ3系脂肪酸・コエンザイムQ10・カルニチン
【形態の向上】セレン・オメガ3系脂肪酸・コエンザイムQ10・カルニチン
今回の結果は、ある種のサプリメントが精子の質に有益な効果をもたらすことができることを示唆しているが、これが自然な子どもの成長の可能性を高めるかどうかについては、より正確な結論を導き出すために、さらに大規模な研究を行う必要があると研究者らは考えているという。
https://academic.oup.com/advances/article/9/6/833/5194327