カナダにおけるトランス脂肪酸の使用禁止措置のほか、海外での注意喚起2件と、研究2件をご紹介します。

◆カナダにおけるトランス脂肪酸の使用禁止
2018年9月17日、カナダは食品中のトランス脂肪の使用を禁止する最新の国となった。 禁止措置では、輸入食品を含むカナダで販売されている食品や、すべての食品サービス施設で調達された食品に部分的に硬化した油分(PHO)を追加することを特に禁止しています。 PHOは、多くの焼成食品やスナック食品の製造に使用されており、食品中のトランス脂肪酸の最大供給源です。世界保健機関(WHO)は、食品からトランス脂肪酸を排除することは、健康を守り、命を救うために重要であると述べています。

 

◆国立健康栄養研究所HPより

〇9月25日 カナダ保健省がDNP (2,4-ジニトロフェノール) を含む健康製品の利用に注意喚起
・注意喚起および勧告内容
2018年9月20日、カナダ保健省 (Health Canada) がDNP (2,4-ジニトロフェノール) を含む健康製品の利用に注意喚起。

解説
ヒトが摂取すると重篤な健康被害を生じるおそれがあるDNPを含む、ボディビルダー用製品や痩身を標榜する製品が流通している。英国で2018年1月から6月までの間に、DNPの使用と関連する死亡事例が5件報告されたことを受け、カナダ保健省はDNPを含む製品を購入・使用しないよう警告している。カナダでは、DNPを含む製品が健康製品として認証されることはないが、インターネットを介して流通している可能性がある。現在のところ、カナダ国内でDNPを含む製品との関連が疑われる死亡事例は報告されていない。
https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2018/67792a-eng.php

※DNPの取り扱いについては繰り返し注意喚起が行われており、日本でも厚生労働省から警告文書が出されている。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/usr/annzenn/image/150805/150805mhlw1.pdf

〇9月28日 シンガポールHSAが医薬品成分 (デキサメタゾンなど) を含む製品に注意喚起
・注意喚起および勧告内容
2018年9月27日、シンガポールHSA (Health Sciences Authority) が、医薬品成分 (デキサメタゾンなど) を含む2製品に注意喚起。当該製品との関連が疑われる健康被害が報告されている。シンガポールHSAは当該製品を使用しないように、使用している場合はすぐに医療機関を受診するように勧告している。

製品名:Jus Al Sunnah Gold 1001 Khasiat Jus Alternatif
検出された医薬品成分 デキサメタゾン、プレドニゾロン、ジクロフェナク
製品名:Jus Al Sunnah 1001 Khasiat Jus Alternatif
検出された医薬品成分 デキサメタゾン、プレドニゾロン

・解説
「Jus Al Sunnah Gold 1001 Khasiat Jus Alternatif」を摂取した5名 (小児1名を含む) が、クッシング症候群や糖尿病のコントロール不良などのステロイド使用による副作用を呈した。当該製品を検査したところ、医薬品成分が検出された。シンガポールHSAは、当該製品はステロイドを含むため、使用している場合は自己判断で中止せず、すぐに医療機関を受診するように勧告している。
https://www.hsa.gov.sg/content/hsa/en/News_Events/Press_Releases/2018/-jus-al-sunnah-gold1001khasiatjusalternatifandjusalsunnah1001kha.html

 

◆LINK de DIETより

〇オメガ-3系脂肪酸が心不全患者の抑うつ症状を改善する:臨床試験
血中のEPAとDHAレベルが、心不全患者の(精神的な)抑うつと関連しているようだ、という米国デューク大学等からの研究報告。
研究チームは、この予備的研究において、108名の心不全患者に対して、オメガ-3系脂肪酸の抑うつに対する効果を調べるランダム化プラセボ(偽薬)対照試験を実施した。

参加者は、次の3群のいずれかにランダムに振り分けられた。1)1日2g のEPA/DHA(2:1)サプリメント、2)1日2gの高用量EPA、3)プラセボ、である。その結果、オメガ-3インデックス(赤血球中のEPA、DHAレベル)は、1)で6.79%、2)で6.32%に達した。3)プラセボ群は4.61%だった。健康関連のQOLを測定するSF-36の社会的機能サブスコアは、プラセボ群に対してEPA/DHA群で有意に改善された(5%水準)。EPA単独群では改善傾向がみられた。オメガ-3インデックスは、精神的抑うつ症状と有意な関連を示した。すなわち、オメガ-3インデックスが高いことと、精神的抑うつスコア(ベック抑うつインベントリ–II)が低いことに関連が見られた。

本研究は予備的研究であり、対象者数が少ないため、弱い関連しか見出されていないこと、別のいくつかの抑うつスコアとの統計的に有意な関連は見出されなかったことを著者らは指摘している。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213177918302269?via%3Dihub

〇1日35分の歩行で脳卒中の重症度が下がる!?

軽度-中程度の身体活動(週4時間以上の歩行、2-3時間の水泳など)を行う人々は、不活動な人々に比べて、重度の脳卒中に罹患するリスクが有意に低いようだ、というスウェーデン・ヨーテボリ大学からの研究報告。
研究チームは、スウェーデンの2つの脳卒中レジストリから925名の脳卒中患者(平均年齢73歳)のデータを解析した。データには脳卒中の重症度(眼、腕、顔面の運動、意識レベル、言語運用能力)が記載されていた。80%が軽度の脳卒中だった。

身体活動量については、患者に脳卒中前の余暇時間における運動量を聞いた。運動時間と運動強度が聞かれ、関係者にそれを確認した。軽度の身体活動は、最低週4時間の歩行と定義された。中程度の身体活動は、週2-3時間の水泳、速歩、ランニング、とした。対象者の52%が、脳卒中以前には不活動であった。研究の重要な限界点として、運動量を脳卒中後の記憶が曖昧になっている可能性がある状態で聞いている点を、研究チームは挙げている。データ解析に結果、軽度から中程度の身体活動を行っていた人々は、不活動だった人々に比べて、脳卒中が軽度である傾向が2倍高かった。不活動だった481名のうち、354名(73%)が軽度の脳卒中だったが、軽度の身体活動を行っていた384名のうち、330名(85%)が、中程度の身体活動者59名中53名(89%)が、軽度の脳卒中であった。
http://n.neurology.org/content/early/2018/09/19/WNL.0000000000006354