◆国立健康栄養研究所HPより

素材データベースの更新より。
国内の事例ではありませんが、下記1件が追加になっています。

〇「乳酸菌、ビフィズス菌など」
<被害事例>
・2014年4月から2015年8月までにノルウェーで超早産児として出生した290名が、壊死性腸炎予防のためプロバイオティクス製品 (B.longum 10 (9) +L. acidophilus 10 (9) /個含有) を出生1週目より1/2~1個/日、投与されていたところ、3名がB.longumを原因とする菌血症を発症した (PMID:27532215) 。個々の症例は以下のとおり。

1) 生後8日の男児が、敗血症、血圧低下を生じ抗菌薬による治療を開始したが翌日より消化器症状 (腹部膨満、消化不良、摂食困難) を発症し、回腸穿孔、腸管壊死が認められた。加療により改善した。
2) 生後12日の男児が、無呼吸、徐脈、体温不安定となり、プロバイオティクスの中止と加療により改善した。
3) Enterococcus faecalisによる菌血症の既往歴がある女児が、治癒後にプロバイオティクスの投与を継続していたところ、生後46日に血圧低下、代謝性アシドーシス、続発性イレウスを発症したが、プロバイオティクスの中止と加療により改善した。
Emerg Infect Dis. 2016 Sep;22(9):1664-6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4994345/

 

◆LINK de DIETより

〇運動は、肥満の人々の血液をより健康にする

運動は、肥満の人々の血液の特性を変えることによって炎症を減らすことができるかもしれない、という米国イリノイ大学からの研究報告。
研究チームは、17名の普通体重者(平均23.9歳)と10名の肥満者(平均29.0歳、平均BMI33.1)を対象に検討を行った。6週間の持久的運動プログラムの実施前後に、参加者の生理学的特性を包括的に測定した。運動は、ステーショナリーバイクまたはトレッドミルを週3回最低1時間とした。参加者は採血され、血液幹細胞の状態が調べられた。
介入の結果、炎症に反応するタイプの血液細胞を作り出すことに関連した血液幹細胞の数が減少することが実証されたという。
「本研究は、運動が、何故そしてどのように肥満の人々の健康を改善するのかを理解するのに役立つだろう」と主任研究者のミシェル・ド・リシオ博士はコメントしている。
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1113/JP276023

〇妊婦のビタミンD欠乏と胎児への影響

欧米型の食生活や、紫外線を浴びる機会の少なさによって、ビタミンD欠乏状態に陥る妊婦が北欧では3~5割にも上るという。ビタミンD欠乏は妊婦・胎児の骨に深刻な影響を及ぼすだけでなく、早産、喘息のほか、胎児の生涯に渡って病気リスクとの関連が指摘されている。
ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも合成されるが、それゆえ高緯度地域など日照時間の少ない地域で特に欠乏が起こりやすい。現にノルウェーでは妊婦の1/3が妊娠後期にビタミンD欠乏状態になることが今年初めに報告されている。ノルウェーで日照時間が極端に少なくなる冬場には、ビタミンD欠乏の妊婦の割合は50%にまで上昇するという。
「(欧米型の食生活では)食材から十分なビタミンDを得ることは難しく、北部地帯では1年のうち6か月は、皮膚でのビタミンD合成のための日光が十分ではありません。夏には皮膚の保護とがん予防のために日焼け止めを身体に塗りますが、これも十分な量のビタミンD合成を難しくしている可能性があります」などと論文著者のグスタファソン氏。ビタミンDは妊婦と胎児にとってどのような働きを持つのか、まとめている。

・ビタミンD欠乏状態の妊婦から産まれた子は、20歳になった時点での骨量が低い傾向にあった
・低ビタミンDレベルによって、早産のリスクが高まるほか喘息リスク増加との関連がある
・妊婦の極端なビタミンD欠乏は、高血圧・子癇前症・妊娠性糖尿病のリスクを高める

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0195041

〇果物や野菜の摂取量が多いと乳がんリスクは低下するかも

果物と野菜を毎日たくさん食べる女性は、少ない女性に比べて、より低い乳がんリスク、特に悪性腫瘍リスク、をもつようだ、という米国ハーバード大学からの研究報告。
研究チームは、1980年に始まった看護師健康研究参加女性88,301名、1991年に始まった看護師健康研究IIの参加女性93,844名の、4年ごとの食事摂取頻度調査の結果を分析した。がんの発症リスクに影響を与える年齢、体重、喫煙状態、がんの家族歴は隔年で調べられた。

データ解析の結果、毎日5.5サービングの果物と野菜を摂取する女性は、2.5サービング未満しか摂取しない女性に比べて、乳がんの発症リスクが11%低いことが明らかになった(1サービングは、生の葉物野菜1カップ、生または調理済み野菜2分の1カップ、あるいはカットしたまたは調理済み果物2分の1カップに相当)。

果物と野菜の摂取の効果が、乳がんの種類によって異なるかどうかを検証したところ、果物と野菜の摂取は、ER陰性、HER2過剰発現、基底様腫瘍を含む悪性の乳がんのリスクを特に低下することが明らかになった。

研究チームの先行研究では、食物繊維の多い摂取と低い乳がんリスクの関連が示唆されていたが、今回の果物と野菜の摂取の利益はそれらの食物繊維含量とは独立のものだった。つまり食物繊維以外のもの、たとえば抗酸化物質や別の微量栄養素が重要である可能性が示唆されているということである。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ijc.31653