◆国立健康栄養研究所HPより

素材データベースの更新より。
国内の事例ではありませんが、下記2件が追加になっています。

・「アミグダリン」
前立腺がん寛解期の67歳男性 (オーストラリア) が、自己判断でアミグダリン含有製品(3錠/日) と自作のアプリコットカーネルエキス (ティースプーン2杯/日) を5年間摂取していたところ (推定シアン化物摂取量17.32 mg/日) 、膀胱鏡検査のための麻酔導入前に経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) が低値を示し、血中シアン化物、チオシアン酸塩濃度の上昇が認められた。慢性シアン中毒と診断され、摂取中止により改善した。
BMJ Case Reports 2017; doi:10.1136/bcr-2017-220814
http://casereports.bmj.com/content/2017/bcr-2017-220814

・「カロテン」
29歳女性 (中国) が、β-カロテンサプリメント (β-カロテン1.8 mg含有) を2錠/日、6ヶ月間摂取したところ、柑皮症を発症。サプリメントの摂取を中止し、β-カロテンを多く含む食品を控えることにより改善した
JAMA. 2017 Apr 18;317(15):1574-1575.
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2618600

 

◆LINK de DIETより

〇マルチビタミン・ミネラル剤は心血管にメリット無し

マルチ(総合)ビタミンやミネラルのサプリメントを摂取しても、心臓発作や脳卒中、心血管関連死の予防効果は期待できないという研究報告が、米国心臓協会の学術誌で発表された。
この研究を行った米国アラバマ大学のキム准教授は、関連する18の研究の結果を再解析した。これらの中には、無作為比較試験、前向きコホート研究などがあり、対象者はのべ200万人以上、追跡期間は平均12年であった。結果、マルチビタミンやミネラルのサプリメントの服用と心血管疾患による死亡リスクの低下には関連性が全く見出だされなかった。

「マルチビタミンやミネラルのサプリメントが心血管疾患を予防できないということを、栄養の研究者も含めて人々に周知するのは、非常に難しいことです。私たちの研究結果が、マルチビタミンやミネラルサプリメントに関わる売り文句を少なくし、心血管疾患のリスクを低下させるための立証された方法―つまり果物・野菜の摂取量を増やし、運動をし、喫煙しない―を実践する人々を励ますことに役立てばと期待しています」とキム准教授。

マルチビタミンやミネラルサプリメントを利用する米国人は30%に上り、世界のサプリメント市場規模は2024年までに278億ドルに到達すると予想されている。これらのサプリメントに心血管疾患の予防効果がないことを示唆する、信頼性の高い研究が複数存在したにも関わらず、その効果についての論争がここ何年も続いていた。

米国心臓協会は、心血管疾患予防を目的としたマルチビタミンやミネラルのサプリメント利用を推奨しないという。協会の首席予防医務官であるサンチェス医師は「健康な心臓のために健康的な食事を摂り、長く健全な人生を。果物や野菜をより多く摂り、過剰なカロリー、飽和脂肪、トランス脂肪酸、塩分、砂糖と食事性コレステロールを制限する、という、バランスのとれた栄養豊富な食事に代わるものはないのです」としている。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCOUTCOMES.117.004224

 

〇ビタミンDが妊娠中の高血圧を予防するという証拠はない

ビタミンDが妊娠高血圧や子癇前症を予防するという強い根拠は存在しないようだ、という英国ブリストル大学などからの研究報告。
一般的に妊婦の血中ビタミンDが低レベルであり、それが血圧を制御するホルモンの分泌を抑制する結果、高血圧と子癇前症のリスクが高まる。

これまでの集団ベースの研究でビタミンDが低レベルの女性は子癇前症のリスクが高いことが報告され、ビタミンDサプリメントの介入試験では潜在的有効性が示唆されていたが、低ビタミンDが子癇前症の原因かどうかは依然として不明なままである。

今回研究チームは、ビタミンDが妊娠糖尿病や子癇前症に影響を及ぼすかどうかを検討した。

研究チームは、ビタミンDの生産と代謝に影響を及ぼす遺伝子変異が、妊娠高血圧と子癇前症のリスクに影響を及ぼすかどうかを、エイボン親子縦断研究と世代R研究という2大疫学研究の参加者から7,389名の妊婦(うち751名が妊娠高血圧、135名が子癇前症)のデータを、メンデリアン・ランダム化という方法を用いて解析した。

研究チームはまた、別のメンデリアン・ランダム化分析を3,388名の子癇前症患者と6,059名の対照妊婦について実施した。

メンデリアン・ランダム化解析の結果、ビタミンDレベルが妊娠高血圧と子癇前症には直接的な(因果的な)関連を持つことを支持する根拠はないことが明らかになったという。

本研究には幾つかの限界があるという。例えば、この分析は妊婦に限定されているが、そもそもビタミンDが受胎率に影響するのであれば、選択バイアスが存在する可能性がある。
研究チームは、より大規模でのさらなる検討の必要性を強調している。「充分な検出力をもった臨床試験との組み合わせによって、妊娠の高血圧に対するビタミンD状態の役割が最終的に確立されるだろう」と研究チームはまとめている。
https://www.bmj.com/content/361/bmj.k2167