ナチュラルメディシン創始者(米国薬剤師殿堂入り)
ジェフ・ジェリン 薬学博士

Natural Medicines Comprehensive Database
Editor-In-Chief
Jeff M. Jellin, Pharm.D.
  Editor, Pharmacist’s Letter
  Editor, Prescriber’s Letter

――まずは、ナチュラルメディシン・データベースの歴史についてお話しいただけますか?

ジェフ:ナチュラルメディシン・データベースができたのは今から20年前、正確には22年前になります。当時、私たちはその34年前から、「ファーマシスト・レター」という処方箋薬とOTC薬に関する情報を、医師や薬局向けに提供しておりました。米国とカナダに住む薬剤師には「ファーマシスト・レター」を、医師には「プリスクライバー(処方者)・レター」を通して情報を提供しておりました。
22年前のある日、大手ドラッグストアチェーンの社長が私のもとを訪れ、このように言いました。
「ジェフ、君の『ファーマシスト・レター』では取り上げられていないが、ナチュラルメディシンやサプリメントは可能性の宝庫だ。ナチュラルメディシンに関するリソースがあれば、きっと薬剤師たちの助けになる。薬剤師が患者さんにナチュラルメディシンを使ってよりよいアドバイスもできる」
当時、彼は5000~7000店舗のドラッグチェーンを所有していましたので、これはいいチャンスだと思い、データベース作りに着手しました。完成までに2年ほどかかりましたが、彼の所有するドラッグストア全店舗にデータベースを販売しました。今やナチュラルメディシン・データベースは他のすべてのドラッグストアチェーン、国公立の図書館、大きな病院などにも配備されていますが、きっかけは、ある大手ドラッグストアチェーンの社長が薬剤師たちの新たな可能性を見出したことから始まったのです。
薬剤師が患者さんのために役立ち、さらに多くの収入が得られるような可能性です。つまり、ナチュラルメディシンやサプリメントをうまく活用してお客さんが病気になるのを未然に防いだり、より健康になる手助けをしたり、足りない栄養素を補うアドバイスを与えたり、医薬品との相互作用を伝えることは、薬剤師にとって収入につながるはずだと彼は確信していました。そして、20年後そのことは実証されました。薬剤師たちはナチュラルメディシン・データベースの情報を使ってカウンセリングを行い、お客さんがヘルスケアコストを抑える手助けをしています。

――日本の薬剤師にも何かアドバイスをいただけますか?

ジェフ:どの国の薬剤師にも多くの可能性があり、どの可能性を拓くのがベストかを考えないといけません。わが国では、薬剤師が「量」のサービスから「質」のサービスの提供へと転換したことで、ヘルスケアシステムの中で自らの価値を高めることができました。
かつては、何枚の処方箋を処理したかというような「量」のサービスの提供で薬剤師の給与が支払われていましたが、今では患者の入院を防いだとか、医薬品との相互作用が起こるのを防いだとか、心臓発作を未然に防いだとか、お客様に選んでいただくために「質」のサービスを提供することに重点が置かれています。
つまり、米国では薬剤師自身がよりやりがいのある仕事を提供して、より多くの給与を得られるようになったのです。
薬剤師にはいろいろな可能性がありますが、仕事を通してより多くの可能性を広げ、患者さんに良い情報を提供することで収入を得たいと考えるのであれば、ナチュラルメディシンやサプリメントの世界を広げることは素晴らしい機会となると思います。人々に感謝され、人々の生活を改善することで、より高い収入を得られるからです。

――世界で唯一無二な存在であるナチュラルメディシン・データベースの役割について、どのようにお考えですか?

ジェフ:ナチュラルメディシンに関するデータベースはわが国でも他にも数多くありますが、率直に言って信頼に足るものは他にひとつもありません。商品を売りたいがためのデータベースか、科学的根拠は何もないが、何らかの理由でその商品を好む人が作成したデータベースのどちらかです。
しかも、ナチュラルメディシンに関しては政府の規制がないため、極端に言えば人を殺しでもしない限り、どのような商品でも販売が可能です。ナチュラルメディシン・データベースの利点は、エビデンスに基づく本当に科学的な最初で最後のデータベースであるという点です。ナチュラルメディシンに関して、科学的根拠に基づき真実のみを伝えています。
この22年間に、我々のやり方を調査して、踏襲し、実によいデータベースを作ったある出版社があります。彼らは我々の実践方法を取り入れ、我々はそのやり方に感嘆して、結局のところ、われわれはその会社を購入しましたので、今や両方の良い部分を取り入れた誇るべきデータベースを所有することになりました。
エビデンスのみに基づき、広告を掲載しないことで、中立の立場からナチュラルメディシンに関する真実のみを伝えているデータベースは、医療従事者、薬剤師にとっても価値の高いもののはずです。

(収録 2018年5月)