うつ病ではセロトニンという神経伝達物質が重要な役割を果たしています。セント・ジョンズ・ワートにはセロトニンのはたらきを助ける重要な二つの成分があります。一つはセロトニンが減少するのを防ぐヒペリシン、もう一つは伝達されなかったセロトニンが吸収されてしまうのを防ぐ、ヒペルフォリンという成分です。
しかし、セント・ジョンズ・ワートのサプリメントにこの二つが含まれている量は、製品によって大きなばらつきがあります。東京都健康安全研究センターが行った調査では市販の40製品中3製品が両成分ともに全く含まれていませんでした。3製品以外もヒペルフォリンの含量については1日摂取量にして0.03〜21.70mgと非常に大きなばらつきがありました。神奈川県衛生研究所が行った調査においても、20製品中7製品にしかヒペリシン含有量の記載がなく、表記のない製品には全く含まれていない製品もありました。この結果から、セント・ジョンズ・ワート自体の効果は認められていても、製品としては効果の期待できないものや、含有量が多すぎて副作用の恐れがある製品もあるようです。

ここに注意!

セント・ジョンズ・ワートは比較的副作用の少ないハーブですが、胎児に影響を及ぼす可能性があるので、妊娠中は使用してはいけません。また、非常に多くの医薬品と相互作用がありますので、巻末の相互作用情報をよく確認してください。

「本当に効く」レベル
・レベルA/軽度〜中等度のうつ病
・レベルB/更年期障害、創傷の治療(軟膏として使用)
・レベルC/注意欠陥多動性障害、C型肝炎、AIDS、糖尿病合併症(多発性ニューロパシー)、過敏性腸症候群
より根拠を要するレベル
・強迫性障害、月経前症候群、季節性情動障害、禁煙、胸やけ、偏頭痛、神経痛、繊維筋痛症、慢性疲労症候群、筋肉痛、がん、減量